行動経済学における「分母の無視」について

投資とお金

「株で大損した!」

こうしたフレーズが度々見られ、株取引というもの自体が敬遠される事象は、昔も今も変わらないことなのかもしれません。

しかし、世には株取引により短期間で大きな利益を得ている人もいれば、少しずつではあるもののゆっくりと資産の増やしている人もいる。

つまり「株で大損した」という話は、それが株取引の全てを示すわけではなく、あくまで一部の事象に過ぎない、ということ。

株取引により損をした →だから株を買うのはやめたほうが良い

株取引により大金を得た →だから株にチャレンジした方が良い

この二つは、全く逆の事象でありながら、どちらも正しい事象です。

つまり、世には様々な事象と発生条件がありますので、

同じ世界の中に、真逆の事象が共存可能である。

これが、自然に生きる世界では当たり前に起きていることであり、

大切なのはその発生条件や確率(割合ともいえる)がどの程度であるか?を、しっかり見定めることである。

確率(割合)が重要な理由

書くまでもないかもしれませんが、例えば

「成功すれば資産を10倍にできる」という話があったとしても、

その成功者が1%なのか、50%なのかによって、チャレンジの価値は大きく異なります。

「成功すれば資産を10倍にできる!」と聞いただけで「それは良い話だ!」と即、食いついてしまうようなメンタルでは、詐欺師の格好の的になることでしょう。

(実際に、資産が10倍になるようなチャレンジがあるとすれば、成功率は単純に考えれば10%程度でしょう。ゼロサムゲームで持ち金が同じであれば10%、そこに主催者の搾取があれば割合は下がっていくというのが基本。)

本題:「分母の無視」にハマる落とし穴

ここまで読んでくださる方は「成功すれば資産10倍!」とだけ言われても、

『いやいやトモさん、そんな謳い文句だけで騙されませんよ~』

と思うかもしれません。

いや、そうであってほしい。笑

でも、こんな風に言われたら・・?

ぼく
ぼく

この方法で20万円稼げます!この方法で100人が実際に20万円を稼ぎました!

ぼく
ぼく

あれ、あなたYさんのお友達ですか?Yさんも、この方法で20万円稼いでましたよ!!おすすめです!!

如何でしょうか。

一気に、現実味が増してきたのではないでしょうか。

でも、これって「成功すれば資産10倍!」の話と根本的には何も変わっていません。

(ぼくが嘘をついていないとしても)少なくとも100人の成功者がいる、という分子の情報だけで、そこに何人のチャレンジャーがいて、何人の敗者がいるのか、その重要な「分母」の情報が一切示されていないからです。

ぼく
ぼく

実はこの方法でも稼げなかった人が3000人いるんだよな・・・黙っとこう♪

実は、成功確率5%にも満たない狭き門だった。そのためのセミナーに、3万円の価値はあるのだろうか。

3100人に3万円のセミナーを受けさせれば9300万円の売上がありますから、成功者が100人ぐらい出るようにコッソリ20万円ずつ仕込んでおくことは、難しいことではないかもしれませんね。

このように、事象に対して「分母」の情報を無視して「分子」部分だけに着目してしまうことを、行動経済学では「分母の無視」と表現するようです。

こうした言葉が存在するぐらいですから、うっかりすると発生しがちな現象だということでしょう。

最近話題のあの話。

僕がずっと、疑問に思っているのは最近話題になることが多い、新型コロナ関連の話題です。

さて、いくつの事例が「分母の無視」をしているでしょうか。。

『若い人は死なないと言われていたけど、10代で死者が発生しました!』

『これが病棟の様子です。新型コロナに感染すると、このように大変な思いをすることになります。』

『東京の感染者数が増加し、ついに3000人を突破しました!』

『コロナに感染したら、肺が真っ白になっていた。自覚症状のない患者が増えている。』

はい。「全部」です。

新型コロナに感染した人の母数、検査した人の母数を無視しているばかりでなく、

過去に「風邪」で済まされてきた中でも同じような症状になった人はいなかったの?という根本的な分母を無視していますから、二重に「分母の無視」が発生していることになりますね。

「データを正しく読む」を、より一層強く意識していきたいものです。

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